2025.03.13
勤務態度が悪い問題社員に注意する目的

動画解説
はじめに
職場には、時に勤務態度が悪い問題社員(一般にモンスター社員とも言われている。)が存在します。そのような社員に対して、適切な注意指導を行っていますか?最初のうちは、周囲への悪影響を考え、「態度を改めるように」と指導するのが普通です。しかし、何度注意しても改善されないケースもあります。
このような場合、指導を続けるのが面倒になり、「もう本人の問題だから放っておこう」と対応を諦めてしまうこともあるかもしれません。しかし、それを放置すると職場の雰囲気が悪化し、他の社員の士気が低下する恐れがあります。最悪の場合、「あの人がいるなら辞めます」といった退職者が出てしまうこともあり、企業全体の生産性に大きな影響を与えかねません。
勤務態度の悪い社員を放置するリスク
問題社員を放置すると、態度の悪さがエスカレートし、職場環境がさらに悪化します。そして、最終的に「もう耐えられない」と解雇を検討することになるケースも少なくありません。しかし、いざ解雇を進めようとすると、弁護士に相談した結果、「適切な注意指導をしていない場合、解雇は認められにくい」と知ることになります。
このように、十分な注意指導を行わないまま解雇を強行すると、裁判で会社側が不利になる可能性が高まります。特に、「証拠作りのために形式的な注意指導を行っていた」と判断されると、裁判官の心証も悪くなり、解雇の正当性が認められにくくなるのです。
注意指導の本来の目的
勤務態度の悪い社員に対して注意指導を行う目的は、単に裁判で勝つためではありません。最も重要なのは、「勤務態度の改善を促すこと」です。
確かに、何度注意しても態度を改めない社員に対し、「もう無理だ」と感じることもあるでしょう。しかし、裁判に勝つためだけの指導を行うと、教育効果が低くなり、結局は状況が改善されないままになってしまいます。
本当に効果的な注意指導を行うためには、「社員の態度を改善する」ことを目的として取り組む必要があります。そのためには、単なる証拠作りではなく、
- 具体的な改善策を提示する
- 社員が納得できる指導を行う
- 継続的にフィードバックを行う
といったポイントを押さえながら、適切な指導を行うことが重要です。
効果的な注意指導の方法
適切な注意指導を行うことで、問題社員の勤務態度が改善される可能性があります。もちろん、全ての社員が素直に改善するわけではありませんが、以下のような手順を踏むことで、効果的な指導を行うことができます。
- 問題行動を具体的に指摘する
漠然と「態度が悪い」と伝えるのではなく、「会議中に上司の指示を無視した」「顧客対応で不適切な言葉遣いをした」など、具体的な行動を指摘しましょう。 - 改善策を明確に提示する
ただ叱るのではなく、「報告・連絡・相談を徹底する」「指示には必ず返答する」といった具体的な改善策を伝え、実践させることが大切です。 - 指導の記録を残す
口頭での指導だけでなく、指導内容を記録し、必要に応じて本人にも共有することで、後々のトラブルを防ぎます。 - 繰り返し指導を行う
1回の注意では改善しないことが多いため、定期的にフィードバックを行いながら、改善状況を確認しましょう。
このように、会社として真剣に態度改善を促す姿勢を示すことで、問題社員の態度が多少なりとも改善されるケースは少なくありません。また、こうした取り組みを行うことで、裁判になった場合でも「会社は改善のために努力した」と判断されやすくなります。
まとめ
勤務態度が悪い社員に注意指導を行う目的は、「態度の改善を促すこと」です。証拠作りのための形式的な指導ではなく、実際に効果のある指導を行うことで、問題社員の態度が改善される可能性が高まります。
また、早い段階で適切な指導を行うことで、問題のエスカレートを防ぐことができます。特に、入社から間もない時期に注意指導を行うことで、社員の意識を早い段階で正すことができるため、職場環境の悪化を未然に防ぐことができます。
問題社員の対応に悩んでいる経営者・人事担当者の方は、適切な注意指導の方法を見直し、職場環境の改善に取り組んでみてください。
もし、具体的な対応方法や法的リスクについて不安がある場合は、当事務所のオンライン経営労働相談をご活用ください。四谷麹町法律事務所では、勤務態度が悪い社員への個別の注意指導の仕方や、場合によっては懲戒処分の進め方等について、具体的なサポートを行っています。
訴訟や労働審判になる前の段階から適切な対応を行うことで、企業側の負担を軽減し、トラブルの早期解決が可能となります。問題社員の対応でお悩みの際は、会社側専門の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。