問題社員

労働組合から団体交渉申し入れ書が届いた場合の対応

動画解説

 企業経営を行っていると、外部の労働組合から団体交渉申入書が届くことがあります。特に中小企業では社内に労働組合がないケースも多いため、外部のユニオン(合同労組)に従業員が加入し、その組合から交渉の申し入れがなされることがあります。このような状況に直面した際に適切な対応を取らなければ、会社の評判を損なうだけでなく、法的リスクを負うことにもなりかねません。ここでは、団体交渉申入書が届いた際の初期対応と、適切な進め方について解説します。

団体交渉の申し入れ書が届いたら

 まず重要なのは、届いた書面の内容を正確に確認することです。組合からの要求内容を把握し、誰が組合に加入したのかを確認しましょう。ただし、ここで注意すべき点として、組合に加入した従業員本人に直接連絡を取ることは避けるべきです。社長や人事担当者が悪意なく確認のために連絡した場合でも、組合から「組合脱退の圧力をかけたのではないか」と主張され、不要なトラブルにつながる可能性があります。仮に話をする場合でも、従業員本人ではなく、労働組合の代表者と連絡を取るようにしてください。

弁護士への相談を検討する 

 団体交渉の申し入れを受けた場合、外部の労働組合との交渉経験が豊富な弁護士に相談することを強くおすすめします。外部組合との団体交渉を100回以上経験した弁護士であれば、どのように対応すればよいかを的確に判断できます。労働法の知識に基づいて適切な戦略を立てることで、企業のリスクを最小限に抑えながら交渉を進めることが可能になります。

 また、組合からの申し入れに対してどのような回答をすべきか、書面作成についても弁護士の助言を受けると安心です。団体交渉の申し入れは単なる話し合いの申し入れではなく、労働組合に認められた法的な権利に基づいて行われるものです。不適切な対応をしてしまうと、「団交拒否」として不当労働行為に該当し、労働委員会の指導や命令を受けるリスクがあります。

団体交渉への対応方法

 労働組合からの申し入れに対しては、「誠実に対応する」ことが求められます。これは、組合の要求をそのまま受け入れなければならないという意味ではなく、正当な理由があれば拒否することも可能です。しかし、その場合でも、単に「応じられない」と伝えるのではなく、適切な法的根拠を示しながら説明することが重要です。

 例えば、未払い賃金の支払いを求められた場合、「未払い賃金は存在しない」と一方的に主張するのではなく、給与明細や振込履歴、労働時間管理の記録を提示しながら、具体的な根拠を示して説明することが求められます。また、団体交渉では、単なる意見交換ではなく、企業としての方針をしっかりと伝えることが重要です。

 団体交渉の場では、組合側が交渉に慣れていることが多く、企業側が不利な立場に立たされることもあります。そのため、経験のある弁護士が同席し、適切なフォローをすることで、交渉をスムーズに進めることができます。

事前の準備と書面の作成

 団体交渉の申し入れを受けた際、多くの場合、事前に書面での回答を求められます。この回答書を作成することには大きなメリットがあります。文章として書き起こすことで、会社側の主張が整理され、団体交渉の場でも冷静に対応しやすくなります。

 交渉当日、組合側からの要求に対して即答しなければならない場面もありますが、書面での回答を用意しておけば、落ち着いて対応することができます。また、組合側も事前に会社の立場を理解した上で交渉に臨むため、無用な対立を避けることにもつながります。

労働組合との交渉の注意点

 労働組合は、企業側の発言を細かくチェックしています。社長や人事担当者が不用意な発言をすると、それを根拠に会社側の対応が「不当」であると主張される可能性があります。団体交渉の場では、企業側の責任者が主体的に対応しつつも、弁護士が適宜フォローする形が理想的です。

 また、労働組合とのやり取りは、企業の評判にも大きく影響します。SNSや口コミによって企業の対応が拡散されることもあるため、冷静かつ誠実に対応することが重要です。問題社員(一般にモンスター社員とも言われる)への対応とも共通する点ですが、感情的にならず、法的に適切な対応を心がけることで、企業の信頼を守ることができます。

まとめ

 労働組合から団体交渉の申し入れがあった場合、適切な初期対応が企業の将来を左右します。書面の内容を正確に確認し、従業員本人ではなく組合代表者とやり取りをすること、経験豊富な弁護士に相談して対応方針を決めることが重要です。

 四谷麹町法律事務所では、企業の皆様が労働組合との団体交渉に適切に対応できるよう具体的なサポートを行っています。交渉前の書面作成や、交渉当日の同席、さらには問題社員の対応方法についてもサポートいたします。団体交渉申入書が届いた際は、団体交渉の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。

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