2025.03.14
勤務態度が悪い社員の適切な対処法

目次
動画解説
はじめに
会社経営者にとって、勤務態度が悪い問題社員(一般にモンスター社員とも言われている)への対応は頭を悩ませる問題の一つです。態度が悪いといっても程度はさまざまですが、特に周囲の士気を低下させたり、職場環境に悪影響を及ぼしたりする場合、適切な対処が必要になります。勤務態度の悪化を放置すると、優秀な社員の離職につながる恐れもあり、企業の生産性や業績にも影響を及ぼしかねません。
では、勤務態度が悪い社員にはどのように対応すべきなのでしょうか。本記事では、法的リスクを最小限に抑えつつ、適切に改善を促すための具体的な方法について解説します。
勤務態度が悪い社員への対応の基本
勤務態度が悪い社員に対して、まず大前提として「改善を促すこと」が目的であることを忘れてはいけません。企業の秩序を守るためにも、単に解雇を前提とした証拠作りをするのではなく、まずは指導を通じて態度を改めさせることが重要です。
「勤務態度が悪い」という評価的な言葉だけでは、本人は具体的に何を直せばよいのか分かりません。そのため、対応の際には以下のポイントを押さえておきましょう。
- 具体的な事実を伝える
- 何月何日の何時ごろ、どこで、どのような行動をとったのかを明確に伝える。
- 「勤務態度が悪い」ではなく、「〇月〇日の会議で上司の指示を無視し、途中で席を立った」など、具体的な行動を指摘する。
- 本人の言い分を聞く
- 一方的に指摘するのではなく、なぜそのような行動をとったのかを確認する。
- 勤務態度の悪化に背景がある場合(例えば、体調不良や家庭の事情など)、適切な配慮が必要なケースもある。
- 一方的に指摘するのではなく、なぜそのような行動をとったのかを確認する。
- 改善策を提示する
- 「今後は指示があった際には必ず応じるようにしてください」など、具体的な行動を示す。
- 必要に応じて改善計画を作成し、定期的に進捗を確認する。
注意指導の実施方法
勤務態度が悪い社員に対して注意指導を行う際は、感情的にならず冷静に対応することが重要です。以下の手順で進めると効果的です。
事実を整理する
注意指導を行う前に、問題行動の事実を具体的に整理しましょう。上司や同僚からの証言を集める、監視カメラの映像を確認するなど、客観的な証拠を押さえることも重要です。
1対1で話す
注意指導は、他の社員がいる場ではなく、個別に行うのが基本です。周囲の目があると、本人が防衛的になり、素直に話を聞けない場合があるためです。
具体的な指摘と改善策の提示
「勤務態度が悪い」という抽象的な指摘ではなく、「〇月〇日の業務中に私語が多く、同僚の業務を妨げていた」といった具体的な事実を伝えます。その上で、「今後は業務中の私語を控え、集中して作業するようにしてください」と改善策を提示します。
書面での記録
口頭での注意だけではなく、注意指導書やメールなどの形で記録を残しましょう。後々トラブルになった際に、適切な指導を行った証拠になります。
懲戒処分の実施
注意指導を行っても改善が見られない場合、懲戒処分を検討することになります。懲戒処分には以下のような種類があります。
- けん責(軽微な違反に対する文書指導)
- 減給(給与を一部減額する)
- 出勤停止(一定期間の勤務禁止)
- 降格(役職や職位の引き下げ)
- 解雇(最終手段としての雇用契約の解除)
懲戒処分を実施する際は、就業規則に則った適正な手続きを踏むことが不可欠です。また、本人に弁明の機会を与えることも求められます。
最終手段としての退職勧奨・解雇
注意指導や懲戒処分を重ねても改善が見られない場合、退職勧奨や解雇を検討する必要があります。ただし、解雇は日本の労働法において厳しい要件が求められるため、慎重な対応が求められます。
退職勧奨を行う場合、強要にならないよう配慮しつつ、退職することのメリット(退職金の支給など)を提示するのが一般的です。また、解雇を行う場合は、以下の要件を満たしているか確認する必要があります。
- 解雇理由が合理的であること(職場環境を著しく悪化させる行動など)
- 解雇回避の努力を行ったこと(注意指導・懲戒処分を実施した記録があること)
- 手続きが適正であること(解雇予告や労働基準法に則った手続きを踏んでいること)
まとめ
勤務態度が悪い問題社員(モンスター社員)への対応は、単に厳しく指導するだけではなく、適切な手順を踏むことが重要です。
- 具体的な事実を伝えて注意指導を行う
- 本人の言い分を聞き、改善策を提示する
- 書面での記録を残し、指導の履歴を管理する
- 懲戒処分を適切に活用する
- 必要に応じて退職勧奨・解雇を検討する
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四谷麹町法律事務所では、問題社員(モンスター社員)への対応に関して、懲戒処分の進め方や指示の出し方、社員への対応方法について具体的なアドバイスを提供しています。さらに、状況によっては企業側代理人として、問題社員や、相手の代理人弁護士との交渉も行っています。
訴訟や労働審判になる前の段階から適切な対応を行うことで、企業側の負担を軽減し、トラブルの早期解決が可能となります。問題社員の対応でお悩みの際は、会社側専門の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。