2025.03.14
協調性がない問題社員の対応方法|企業が直面する課題と適切な対策

目次
動画解説
はじめに
経営者にとって、協調性がない社員の対応は大きな課題の一つです。ある程度の個性の違いは許容できても、業務の進行に支障をきたすレベルになると、組織全体の生産性や職場環境に悪影響を及ぼします。
特に、協調性がない社員がいることで職場の士気が低下し、他の社員のモチベーションにも影響を及ぼすことが少なくありません。業務が円滑に進まないだけでなく、他の社員がそのフォローに追われることで、不公平感が生じ、最終的には優秀な社員の退職にもつながる可能性があります。
このような問題社員(一般にモンスター社員とも言われている。)にどのように対応すればよいのか、法的リスクを回避しながら適切に対処するための方法を解説します。
協調性がない社員の特徴と原因
協調性がない社員には、以下のような特徴が見られます。
- 他の社員とコミュニケーションを取ろうとしない
- 指示やルールに従わない
- チームワークを軽視し、自己中心的な行動を取る
- 他者への配慮が欠けている
- 自分の価値観ややり方に固執し、柔軟性に欠ける
- 自分の役割や責任を果たさず、他の社員に負担をかける
しかし、こうした行動の背景には、個々の価値観や育った環境の違いが影響していることもあります。例えば、外国文化や宗教的な背景の違い、あるいは世代間ギャップが原因となっているケースも考えられます。
また、本人に悪気がなく、「普通にしているだけなのに周囲から協調性がないと思われる」といったケースも少なくありません。例えば、過去に個人主義が評価される職場で働いていた社員が、チームワークを重視する職場に転職した場合、適応できずに「協調性がない」とみなされることがあります。
そのため、単に「協調性を持て」と指導するだけではなく、具体的な行動ベースで改善を促すことが重要です。
問題のある行動を具体的に指摘する
協調性がない社員に対しては、「常識で考えればわかるだろう」といった抽象的な指導は効果がありません。重要なのは、具体的な行動を指摘し、それがどのように職場の業務に悪影響を与えているのかを明確に伝えることです。
具体的な指導の方法
- 行動の事実を正確に伝える
- 例:「今日午後2時30分に会議でこのような発言をしたね。その結果、会議がスムーズに進まなかった。」
- 問題点を説明する
- 例:「この発言が原因で、他の社員が話しにくい雰囲気になった。」
- 改善すべき行動を示す
- 例:「次回からは、自分の意見を伝える際に相手の立場も考えて発言しよう。」
こうした指導を繰り返すことで、本人が少しずつ改善しようとする意識を持つ可能性があります。
注意指導と懲戒処分の進め方
対話による指導が効果を発揮しない場合、次のステップとして厳重注意や懲戒処分を検討する必要があります。
注意指導の進め方
- 注意書の交付
- いつ、どこで、どのような問題行動があったのかを明記した文書を交付する。
- 本人に問題点を認識させることが目的。
- 懲戒処分の実施
- 改善が見られない場合、段階的に懲戒処分(戒告、減給、出勤停止など)を行う。
- 処分通知書には、具体的な事実と懲戒理由を明記する。
このように、段階を踏んで対処することで、社員の行動変容を促すとともに、万が一法的トラブルになった際に企業側の対応が正当であることを示す証拠にもなります。
退職勧奨・解雇を検討する場合
厳重注意や懲戒処分を重ねても改善が見られず、組織に深刻な悪影響を与えている場合は、退職勧奨や解雇を検討する必要があります。
退職勧奨の進め方
- 本人と面談し、会社の方針と合わないことを説明する
- 具体的な問題行動と、それが改善されなかった経緯を伝える
- 退職条件について話し合う(退職金の上乗せなどを検討)
退職勧奨を行う際は、理由を明確に説明しないと、社員が「不当な扱いを受けた」と感じてトラブルになる可能性があるため、慎重に対応しましょう。
法律の専門家への相談
四谷麹町法律事務所では、問題社員への対応に関して、個別の注意指導の仕方や懲戒処分の進め方、社員への対応方法について具体的なサポートを行っています。さらに、状況によっては企業側代理人として、問題社員や相手の代理人弁護士との交渉も行っています。
訴訟や労働審判になる前の段階から適切な対応を行うことで、企業側の負担を軽減し、トラブルの早期解決が可能となります。問題社員の対応でお悩みの際は、会社側専門の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。