問題社員を指導する方法｜注意の仕方をレベルアップさせよう

動画解説

　問題社員（一般にモンスター社員とも言われることもある）への適切な注意・指導は、企業の職場環境を守るために欠かせません。しかし、単に注意するだけでは効果が薄く、社員の改善につながらないことも多いです。本記事では、問題社員への指導をより効果的に行うためのスキル向上の方法について詳しく解説します。

注意指導のスキルを向上させる重要性

　問題社員の対応に関する知識を持っているだけでは、実際の指導がうまくいかないことがあります。例えば、指導の際に適切な言葉を選べなかったり、相手の反応にうまく対応できなかったりすることで、期待した効果を得られないケースも多いのです。

　問題社員に適切に指導を行うには、実践的なスキルを磨くことが不可欠です。スポーツや楽器演奏と同じように、指導のスキルも「練習」によって向上させることができます。

指導スキルを高めるための具体的な方法

繰り返し練習する

　スポーツや楽器と同じように、問題社員への指導スキルも反復練習によって向上します。例えば、ゴルフのスイングをマスターするためには何度も打ち続ける必要がありますし、ピアノを弾けるようになるためには毎日練習することが大切です。それと同じように、注意指導のスキルを磨くためには、繰り返しの実践が欠かせません。

社内でロールプレイを行う

　社内で人事担当者や管理職同士が集まり、ロールプレイ形式で問題社員対応の練習をするのも効果的です。例えば、1人が問題社員役を演じ、もう1人が管理職として注意指導を行う形式です。

　この方法では、次のようなメリットがあります。

• 実際の場面を想定しながら対応力を鍛えられる
• 他の参加者からフィードバックを受けられる
• 事前にシミュレーションすることで、本番の対応がスムーズになる

　実際に注意指導を行う前に、社内で短時間でもロールプレイを行うことで、指導の質を大きく向上させることができます。

予測される反応への対応を準備する

　問題社員は、注意を受けた際に反論をしたり、パワハラを主張したりすることがあります。そのような場合でも冷静に対応できるよう、予測される反応とそれに対する適切な対応を事前に準備しておくことが重要です。

　例えば、

• 「なぜ私だけ注意されるのですか？」
• 「ほかの人も同じことをしているのに、不公平では？」
• 「パワハラではないですか？」

といった反論に対して、冷静かつ客観的に対応できるよう、事前にシナリオを作成し、練習することが効果的です。

弁護士などの専門家と実践トレーニングを行う

　さらに高度なスキルを身につけたい場合は、問題社員対応を専門とする弁護士と実践的なトレーニングを行うのも有効です。例えば、弁護士が問題社員役を演じ、経営者や管理職が実際の指導をシミュレーションすることで、よりリアルな対話を経験できます。

　このような実践トレーニングを行うことで、

• 問題社員の典型的な言い分に対応するスキルが身につく
• 言葉の選び方や態度を専門家から指導してもらえる
• 実際の場面で自信を持って対応できるようになる

といったメリットが得られます。

注意指導のスキルを向上させることのメリット

　注意指導のスキルを高めることで、次のようなメリットが得られます。

1. 問題社員の改善につながる
   • 適切な指導を行うことで、問題社員の行動改善を促すことができます。
2. トラブルの長期化を防ぐ
   • 効果的な指導ができれば、問題社員との不要な対立を避け、早期解決が可能になります。
3. 法的リスクを回避できる
   • 適切な指導を行うことで、パワハラの誤解を防ぎ、法的リスクを最小限に抑えることができます。
4. 職場の雰囲気を守る
   • 問題社員を適切に指導できることで、他の社員の士気を維持し、職場環境の悪化を防げます。

会社の未来を守るため

　問題社員の対応は、多くの経営者や管理職にとって大きな負担となります。しかし、適切な方法で指導を行い、そのスキルを向上させることで、トラブルを最小限に抑え、職場環境を健全に保つことができます。

　四谷麹町法律事務所では、問題社員への対応に関して、個別の注意指導の仕方や懲戒処分の進め方、社員への対応方法について具体的なサポートを行っています。さらに、状況によっては企業側代理人として、問題社員や相手の代理人弁護士との交渉も行っています。

　訴訟や労働審判になる前の段階から適切な対応を行うことで、企業側の負担を軽減し、トラブルの早期解決が可能となります。問題社員の対応でお悩みの際は、会社側専門の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。