問題社員

問題社員への注意指導の正しい進め方|目的を理解し効果的に対応する方法

動画解説

 問題社員(一般にモンスター社員とも言われることもある)への注意指導は、企業の職場環境を守る上で欠かせないプロセスです。しかし、注意指導を単なるアリバイ作りとして行うと、裁判で不利になったり、職場の士気を下げたりする可能性があります。本記事では、問題社員に対する注意指導の本来の目的と、その適切な進め方について詳しく解説します。

注意指導の目的を正しく理解する

 注意指導の目的は、単に証拠を残すことではありません。最も重要なのは、問題社員の行動を改善し、職場の秩序を維持することです。注意指導が適切に行われれば、問題社員の行動が改善され、企業の生産性や職場環境の向上につながります。

 しかし、注意指導を怠ったり、適切な方法で行わなかったりすると、問題がエスカレートし、最終的には解雇や法的トラブルに発展することもあります。そのため、経営者や管理職は、早い段階で適切な注意指導を行うことが重要です。

 また、注意指導は他の社員へのメッセージとしての役割も持ちます。問題社員が適切に指導されることで、職場全体に「ルールを守ることが大切」という意識が浸透し、他の社員のモチベーションや生産性向上にもつながります。

間違った注意指導の例とそのリスク

多くの企業では、以下のような誤った方法で注意指導が行われていることがあります。

遠回しな注意で問題を先送りする

問題社員の行動に対して、はっきりとした指摘をせず、やんわりと遠回しに伝えるだけでは、本人が問題を自覚しにくくなります。その結果、問題行動が改善されず、周囲の社員が不満を募らせることになります。

いきなり厳しい処分を行う

 問題行動が長期間放置された後、突然、厳しい処分を行うのも逆効果です。これでは、会社側が「辞めさせるためのアリバイ作りをしている」と見られるリスクが高まり、法的に不利になることがあります。

証拠集めを目的とした注意指導

 弁護士の助言を受けた結果、「裁判になった際に有利な証拠を残すために注意指導を行うべき」という考えに固執する企業もあります。しかし、注意指導の本来の目的は問題社員の行動改善であり、証拠集めだけを目的にすると、裁判で不利な印象を与える可能性があります。

早期の注意指導が重要な理由

 問題社員の行動は、早い段階で適切に指導を行うことで改善できるケースが多いです。放置すると、問題がエスカレートし、職場の士気や生産性の低下を招くことになります。

問題行動のエスカレートを防ぐ

 初期の段階で適切な注意を行うことで、問題が深刻化するのを防げます。例えば、上司によって指導の仕方が異なると、問題社員は「この上司は厳しくないから大丈夫」と判断し、さらに問題行動を悪化させることがあります。

他の社員の士気を維持する

 問題社員への対応を適切に行わないと、他の社員が不公平感を抱き、職場の雰囲気が悪化します。上司がしっかりと注意指導を行うことで、他の社員に対しても「会社は適切な対応をしている」という安心感を与えられます。

社長のリーダーシップを示す

 問題社員がどの上司の指導も受け付けない場合、最終的には社長が直接対応することも必要です。社長が適切な注意指導を行うことで、他の社員からの信頼も厚くなり、組織全体の結束力が高まります。

効果的な注意指導の進め方

問題行動を明確に伝える

 注意指導を行う際には、曖昧な表現を避け、具体的な事実を伝えることが重要です。

例:

  • NG:「最近、仕事の態度が良くないね。」
  • OK:「先週の会議で3回遅刻しており、報告書の提出が2回遅れています。」

一貫した対応を取る

 注意指導の内容に一貫性がないと、問題社員が「この上司は厳しいが、別の上司なら大丈夫」と考え、問題行動が継続する可能性があります。全ての管理職が同じ基準で指導を行うことが重要です。

記録を残す

 適切な注意指導を行っても、社員が改善しない場合に備えて、記録を残しておくことも必要です。ただし、これはあくまで補助的なものであり、証拠作りが目的にならないよう注意しましょう。

社員の性格に応じた指導方法を検討する

 社員の性格によっては、厳しく注意されることで反発し、問題が悪化するケースもあります。適切な指導方法を選ぶことで、円滑な改善が期待できます。

会社の未来を守るために

 問題社員の対応は、単なる証拠作りではなく、組織全体の秩序を守るための重要な業務です。注意指導を適切に行うことで、社員の行動を改善し、職場環境を健全に保つことができます。

 四谷麹町法律事務所では、問題社員への対応に関して、個別の注意指導の仕方や懲戒処分の進め方、社員への対応方法について具体的なサポートを行っています。訴訟や労働審判になる前の段階から適切な対応を行うことで、企業側の負担を軽減し、トラブルの早期解決が可能となります。問題社員の対応でお悩みの際は、会社側専門の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。

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