問題社員

問題社員への人事評価のポイント|適正評価でトラブルを防ぐ方法

動画解説

 経営者にとって、問題社員(一般にモンスター社員とも言われている。)の人事評価は慎重に行う必要があります。適切な評価がされないと、企業の成長を妨げるだけでなく、後々のトラブルの原因にもなりかねません。本記事では、問題社員の人事評価の際に陥りがちな問題点と、それを回避するための適切な評価の仕方について詳しく解説します。

問題社員の人事評価が適切に行われていない実態

 人事評価において、問題社員の実態よりも高い評価をつけてしまう企業が少なくありません。その理由として、以下のようなケースが挙げられます。

  • 評価を厳しくすると社員のモチベーションが下がると考えている
    • 「本当の評価を伝えるとやる気をなくすのでは?」と懸念し、実際よりも高めの評価をつける。
  • 評価が低いとボーナスが減るため、管理職が配慮してしまう
    • 本来は評価を下げるべきだが、「評価を下げると本人の収入が減ってしまうから」と管理職が遠慮してしまう。
  • 社員との面談で厳しい評価を伝えたくない
    • 低評価をつけると本人に文句を言われる可能性があり、管理職が面談での衝突を避けようとする。

 このような甘い評価が続くと、企業全体の生産性が低下し、他の社員の士気にも悪影響を与えることになります。

実態よりも高い評価をつけるリスク

 問題社員に対して実態よりも高い評価をつけることには、次のようなリスクがあります。

問題が改善される機会を失う

 評価が甘いと、社員自身が「自分はそれなりに評価されている」と誤解し、改善の努力をしなくなります。その結果、問題行動が放置され、社内の秩序が乱れる可能性が高まります。

 また、適正な評価が行われないことで、管理職や同僚が「問題社員に甘い職場」と認識し、不満を募らせることにもつながります。評価は単なる査定ではなく、業務改善の重要な機会でもあるため、誤った評価は企業の成長を阻害します。

解雇や退職勧奨時のトラブルに発展する

 長年、問題行動を放置していた社員を突然解雇しようとすると、「今まで評価されていたのに、なぜ急に評価が下がったのか」と反発され、紛争に発展しやすくなります。特に、直前の人事評価だけ極端に低くする場合、「解雇を正当化するために意図的に低い評価をつけた」と受け取られ、裁判などで不利になる可能性があります。

 企業側の対応としては、日頃から適切な評価を行い、問題がある場合は記録を残しながら改善を促すことが重要です。適切なプロセスを経ることで、万が一のトラブル発生時にも企業の正当性を示しやすくなります。

他の社員の不満が高まる

問題社員に対して甘い評価が続くと、他の社員が「なぜあの人は態度が悪いのに普通の評価なのか?」と不満を抱くようになります。その結果、職場のモラルが低下し、優秀な社員が退職してしまう原因にもなります。

特に、業務成績が優秀な社員ほど「正当な評価を受けたい」という意識が強いため、不公平感が広がるとモチベーションの低下や離職につながる可能性が高くなります。

適切な問題社員の人事評価の方法

問題社員の評価を適正に行うためには、次のポイントを押さえておく必要があります。

評価基準を明確にし、一貫性を持たせる

評価基準が曖昧なままでは、管理職によって評価のばらつきが生じやすくなります。就業規則や人事評価制度を明確にし、以下のような項目を明文化することが重要です。

  • 勤務態度(遅刻・無断欠勤の有無、指示の遵守)
  • 業務遂行能力(仕事の正確性、納期の遵守)
  • チームワーク(協調性、同僚との関係性)

 一貫した基準で評価を行うことで、後から「評価が不公平だ」と主張されるリスクを低減できます。

問題行動を具体的に記録する

 評価を厳格に行うためには、問題社員の行動を記録しておくことが不可欠です。

  • 「〇月〇日、会議中に上司の指示を無視し、私語を続けた」
  • 「〇月〇日、締切を守らず、納期遅延を発生させた」

 このような記録を残すことで、評価の根拠を明確にし、社員からの不服申し立てに対しても適切に対応できます。

評価結果を本人に適切に伝え、改善の機会を与える

 問題社員には、評価結果を正確に伝え、改善すべき点を明示することが重要です。

  • 「今回の評価では、業務遂行能力の項目が低かった。納期を守ることが求められているため、来期は意識して取り組んでほしい。」
  • 「チームワークの評価が低かったが、報告・連絡・相談を適切に行うことで改善できる。」

 また、改善の機会を与えた上で、その後の評価を適切に行うことが、トラブルを防ぐ上で有効です。

まとめ

 四谷麹町法律事務所では、問題社員の人事評価や、トラブルを避けるための適切な評価方法について企業向けのアドバイスを行っています。適切な評価制度の運用や、問題社員の対応についてお困りの際は、会社側専門の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。

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