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事業場・支店閉鎖に反対する社員への対応と適切な説明の仕方

動画解説

はじめに

 事業を拡大し、企業を成長させることは経営者にとって理想的な展開です。しかし、経済環境の変化や市場動向によって、特定の事業場や支店の閉鎖を余儀なくされることもあります。こうした状況では、そこに勤務する社員の配置転換や退職を検討せざるを得ません。

 しかし、中には「この職場でなければ働きたくない」と強く反発する社員もいるため、適切な対応が求められます。本記事では、事業場・支店閉鎖に反対する社員への適切な対応方法を解説します。

事業場・支店閉鎖を円滑に進めるための基本方針

 まず、閉鎖の決定をスムーズに進めるためには、以下の2つが重要です。

  1. 閉鎖の必要性を明確に説明すること
  2. 閉鎖後の社員の処遇を具体的に示すこと

 これらを徹底することで、社員の納得感を高め、無用なトラブルを防ぐことができます。

閉鎖の必要性を明確に伝える

 支店閉鎖に反発する社員への対応の第一歩は、閉鎖の理由をしっかりと伝えることです。単に「業績が悪いから」ではなく、どのような市場環境の変化があり、どのように影響を受けたのか を具体的に説明しましょう。

 説明の際には、口頭だけでなく配布資料を用意することが重要 です。A4用紙1枚程度の資料に、以下のポイントを簡潔にまとめて配布することで、社員の理解を促します。

  • 閉鎖の背景と必要性(市場環境の変化、業績の推移)
  • 他の事業場への配置転換の可能性
  • 退職に関する条件や補償
  • 閉鎖までのスケジュール

 また、説明会を開催し、経営者や管理職が社員に対して直接説明することも重要です。説明会では、社員の質問にも誠意をもって対応し、不安を取り除く努力をしましょう。

閉鎖後の社員の処遇を具体的に示す

 閉鎖によって影響を受ける社員の今後の選択肢を明確にすることで、混乱を最小限に抑えることができます。具体的には、以下の対応を検討しましょう。

  1. 他の事業場・支店での勤務提案
    • 可能な限り、勤務地や仕事内容の選択肢を提示し、希望を聞く。
    • 転勤が難しい場合でも、相談の上、柔軟に対応する。
  2. 退職を希望する社員への対応
    • 退職希望者に対して、退職条件を明示する。
    • 退職金や特別補償について、一定の基準を設けて説明する。
    • すべての社員に公平な条件を提示することで、不満を抑える。

社員への説明は経営者が直接行うのが理想

 閉鎖の説明は、経営者や支店長が直接行うことが望ましいです。社員にとって、自分の職場がなくなるというのは大きな問題です。その際、見知らぬ第三者(弁護士など)が説明するよりも、経営者自身が責任をもって説明することで、社員の納得感が高まりやすくなります

 もちろん、説明の際に弁護士が同席し、書類の作成や質疑応答のサポートを行うことは有効です。しかし、あくまで主役は経営者自身であるべきです。

 また、社員からの質問には誠意をもって対応し、感情的にならずに冷静に答えることが重要です。仮に厳しい質問があっても、逃げずに対応することで、経営者としての信頼を得ることができます。

退職条件の提示と交渉

 事業場・支店閉鎖に伴い、他の事業所での勤務が困難な場合には、退職条件を提示することが必要になります。

 退職条件を提示する際のポイントは以下のとおりです。

  • 退職金や特別補償を明確にする(例:基本給の◯ヶ月分)
  • 全社員に公平な条件を提示する
  • 労働組合や外部の団体交渉に備え、一貫した方針を持つ

 また、どうしても交渉が難航する場合は、弁護士と相談しながら対応を進めることが重要です。

まとめ

 事業場・支店閉鎖に伴う社員の対応は、慎重かつ誠実に進める必要があります。特に、社員に対して以下の対応を徹底することで、スムーズな移行が可能となります。

  • 閉鎖の必要性を明確に説明し、納得感を高める
  • 他の事業場・支店での勤務をできる限り提案する
  • 退職条件を明確に提示し、公平な対応を徹底する
  • 経営者自らが説明を行い、誠意を持って対応する

 こうした対応を適切に行うことで、社員との不要な対立を避け、円満な解決につなげることができます。

四谷麹町法律事務所のサポート

 四谷麹町法律事務所では、事業場・支店閉鎖に伴う問題社員への対応について、具体的なアドバイスや書類作成のサポートを行っています。事業場・支店閉鎖に伴う労務トラブルを回避し、スムーズな対応を進めるために、ぜひご相談ください。

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