問題社員

教育効果が高く、裁判でもパワハラと評価されないための注意指導の仕方とは

動画解説

はじめに

 会社経営者の皆様、問題社員への注意指導をどのように行っていますか?

 適切な注意指導は、単に企業の秩序を守るだけでなく、従業員の行動改善を促し、労務トラブルを未然に防ぐために不可欠です。しかし、不適切な方法で指導を行うと、教育効果が低下するばかりか、裁判で「パワハラ」と評価されるリスクも生じます。

 本記事では、教育効果が高く、裁判においても適正な指導と認められるための注意指導のポイントを解説します。

注意指導で最も重要なのは「事実を伝える」こと

 問題社員への注意指導において最も重要なのは、評価や主観的な印象ではなく、「具体的な事実を伝える」ことです。

 事実とは、一般に「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どのように)」に基づく明確な情報です。特に、次の点を意識して指導を行いましょう。

 例えば、

✖ 「あなたはいつも勤務態度が悪い」

○ 「2月1日午前10時30分頃、第一会議室で、○○部長に対し、大声で『○○』と発言した」

 このように、日時・場所・行為の具体性を明確にすることで、本人も問題点を認識しやすくなります。

抽象的な評価では教育効果が低い

 「協調性がない」「勤務態度が悪い」などの抽象的な表現は、問題社員にとって何を改善すべきか分かりにくく、教育効果が期待できません。

 多くの問題社員は、自身の行動を深く考えずに習慣的に行っています。そのため、本人が気づかないまま周囲に悪影響を与えていることが多いのです。

 「何が問題だったのか」を具体的に伝えないと、本人は「社長が自分を嫌っているだけ」と誤解し、改善に向かわない可能性が高くなります。

事実を特定することで、指導が客観的に

 事実を特定することで、問題社員との議論の焦点が明確になり、客観的な指導が可能になります。

 例えば、

✖ 「あなたはパワハラをしている」

○ 「1月15日午後3時ごろ、○○会議室で、部下の○○さんに対し、肩を叩きながら『○○』と発言した」

 このように、行為の詳細を伝えることで、「何を直すべきか」が明確になり、指導の納得感が向上します。

態度改善のための適切なアプローチ

 具体的な事実を伝えたうえで、問題社員に「どのように改善するべきか」を考えさせるのも効果的です。

 指導する際には、次の流れを意識しましょう。

・ 事実を伝える(具体的な行動や発言を指摘する)
・ 問題点を説明する(なぜその行為が問題なのかを説明する)
・ 改善策を提示する(具体的な改善方法を伝える)

 「どうすればよいと思う?」と本人に考えさせることで、より自発的な改善を促すこともできます。

遠回しな指導は逆効果

 指導が遠回しで曖昧な場合、問題社員は何を改善すべきか分からず、行動が変わりません。

 また、曖昧な表現ばかり使っていると、社員に「社長は何も言えない」と思われ、指導が軽視されるリスクもあります。

 重要なのは、感情的にならず、客観的な事実を明確に伝えることです。

まとめ:問題社員への指導は「具体的な事実」に基づくべき

 適切な注意指導を行うためには、「評価」ではなく「事実」を伝えることが重要です。

何月何日、何時ごろ、どこで、誰に対して、何をしたのか を明確に伝える
抽象的な評価ではなく、具体的な行動を指摘する
問題行動を改善する方法を示し、本人にも考えさせる

 これにより、教育効果が高まり、問題社員への指導がスムーズに進むだけでなく、裁判になった際にも「パワハラ」と評価されにくくなります。

 企業の秩序を守り、円滑な職場環境を築くためにも、適切な注意指導を実践しましょう。

法律の専門家によるアドバイス

 四谷麹町法律事務所では、問題社員への対応に関して、懲戒処分の進め方や指示の出し方、社員への対応方法について具体的なサポートを行っています。さらに、状況によっては企業側代理人として、問題社員や、相手の代理人弁護士との交渉も行っています。

 訴訟や労働審判になる前の段階から適切な対応を行うことで、企業側の負担を軽減し、トラブルの早期解決が可能となります。問題社員の対応でお悩みの際は、会社側専門の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。

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