問題社員

横領・不正受給を行う問題社員の対応策|企業が取るべき法的対処法とは?

動画解説

 経営者にとって、従業員による横領や手当の不正受給は深刻な問題です。企業の資産を守るためには、不正行為を未然に防ぐ仕組みを整えるだけでなく、問題が発生した際に迅速かつ適切に対応することが求められます。本記事では、横領や手当の不正受給を行う問題社員(一般にモンスター社員とも言われる)の対処法について、具体的な手順を詳しく解説します。

横領や不正受給の実態と企業のリスク

 横領や手当の不正受給は、企業の財務に直接的な損害を与えるだけでなく、社内の信頼関係を損ねる要因となります。不正行為が発覚した際には、迅速な対応が必要ですが、そのためにはまず、不正行為の実態を把握し、どのようなリスクが伴うのかを理解することが重要です。

代表的な不正行為のパターン

  1. 会社の資金を私的に流用する
    • 会社の金庫や銀行口座から金銭を引き出し、私的に使用する。
    • 経費を偽装して請求し、不当に会社の資金を取得する。
  2. 虚偽の手当申請を行う
    • 住所を偽り、通勤手当を実際より多く受給する。
    • 家族手当や資格手当などを不正に申請する。
  3. 架空の取引を作り出す
    • 存在しない業務委託契約を作成し、個人的に利益を得る。
    • 架空の請求書を作成し、会社から不正に支払いを受ける。

これらの不正行為を放置すると、企業の資金が不正に流出するだけでなく、社内の規律が乱れ、従業員の士気低下を招く恐れがあります。こうしたリスクを回避するためにも、適切な対策を講じることが不可欠です。

問題社員への対応の基本方針

横領や不正受給が発覚した場合、企業が取るべき基本的な対応方針は次の3つです。

  1. 事実確認を徹底する
  2. 適切な法的措置を講じる
  3. 再発防止策を整える

事実確認の重要性

 不正行為が疑われる場合、まず最初に徹底した事実確認を行うことが不可欠です。具体的には、

  • 会計記録や給与明細の精査:横領や不正受給の証拠を明確にする。
  • 関連書類のチェック:経費申請書や通勤手当申請書の整合性を確認する。
  • 監視カメラや電子記録の確認:社内の監視カメラやパソコンのログを調査し、不正行為の証拠を収集する。
  • 本人へのヒアリング:不正行為が疑われる従業員に対し、客観的な証拠を提示したうえで説明を求める。

 事実確認の過程で、本人の説明に矛盾がないか慎重に検討することが重要です。もし意図的な虚偽申告があれば、それを裏付ける証拠を確保したうえで、次の段階へ進みます。

適切な法的措置の実施

 事実確認の結果、不正が明らかになった場合、企業として適切な対応を行う必要があります。

  • 返還請求:不正に受け取った金銭を返還するよう求める。
  • 懲戒処分:就業規則に基づき、懲戒処分(減給、降格、懲戒解雇など)を検討する。
  • 刑事告訴:横領が悪質な場合、刑事告訴を行い、法的措置を取る。

 企業が法的対応を行う際は、証拠を確実に揃えたうえで、弁護士に相談するのが賢明です。

再発防止策の構築

 一度不正が発生した企業では、同様の問題が再び起こる可能性があります。そのため、再発防止策を講じることが極めて重要です。

  • 内部監査の強化:定期的な監査を実施し、不正を未然に防ぐ。
  • 社内ルールの見直し:経費精算のフローを厳格化し、不正が起こりにくい環境を作る。
  • 従業員教育の徹底:コンプライアンス研修を実施し、不正のリスクを理解させる。
  • 不正を通報できる仕組みの導入:内部通報制度を整え、不正行為を早期発見できる体制を作る。

 特に、小規模な企業では管理体制が甘くなりがちです。そのため、日頃からリスク管理を意識し、社内のガバナンスを強化することが不可欠です。

企業の健全な経営を守るために

 横領や手当の不正受給を放置すると、企業の信用が損なわれ、経営そのものに大きな影響を及ぼします。問題社員(一般にモンスター社員とも言われる)への対応は慎重に進める必要がありますが、適切な手続きを踏めば、企業のリスクを最小限に抑えることが可能です。

 四谷麹町法律事務所では、問題社員への対応に関して、個別の注意指導や懲戒処分、退職勧奨等について、具体的なサポートを行っています。さらに、状況によっては企業側代理人として、問題社員や相手の代理人弁護士との交渉も行っています。訴訟等になる前の段階から適切な対応を行うことで、企業側の負担を軽減し、トラブルの早期解決が可能となります。横領や手当の不正受給を行う問題社員の対応でお悩みの際は、会社側専門の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。

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