問題社員

頻繁に休む派遣社員への正しい対処法|欠勤トラブルを防ぐための経営者の選択肢

動画解説

頻繁に休む派遣社員への対応策とは

 「派遣社員が病気などを理由に頻繁に休むため、計画通りに業務が進まず困っている」という相談は少なくありません。派遣先としては、人員を当てにしていたのに欠勤が続けば業務に大きな支障が出るのは当然です。ところが現実には、期待通りに稼働してくれないケースも少なくなく、企業としてどう対応すべきか悩ましい問題です。

 この問題に「絶対的な正解」があるわけではありません。会社経営者としては、いくつかの選択肢をアイデアとして持ち、それを検討した上で「これだ」と判断して実行に移していくしかありません。場合によっては、複数の方法を試しながら最適な対応策を模索していくことになります。以下では、その検討材料となる視点を整理してお伝えします。

派遣会社への相談と調整の重要性

 まず第一に考えるべきは、派遣会社への相談です。派遣社員本人に事情を聞いても根本的な解決につながらない場合が多く、そもそも契約上の相手は派遣会社です。派遣社員を特定して依頼しているわけではなく、労働者派遣契約に基づき派遣会社から人材を提供してもらっている以上、基本的には派遣会社と交渉することが筋となります。

 「安定的に勤務できない派遣社員では業務に支障がある」と率直に伝えることで、派遣会社が別の人材を手配してくれる可能性があります。実際に、状況次第では比較的安定した勤務が可能な派遣社員を紹介してもらえるケースもあります。ただし、派遣会社といっても必ずしも豊富な人材を抱えているとは限らず、理想的な人材をすぐに派遣してもらえるとは限らないのも現実です。

派遣会社の変更や契約見直しの検討

 現在の派遣会社に改善を求めても、どうしても状況が変わらない場合には、別の派遣会社との契約を検討することも必要です。より信頼できる派遣会社に出会えれば、安定して勤務できる派遣社員を紹介してもらえる可能性が広がります。

 もっとも、良い派遣会社が必ず見つかるわけではなく、仮に見つかったとしても料金が高額で契約を継続できない場合もあります。「いい人を派遣してほしい」と求め続けても、それが実現できるとは限らないのです。そのため、派遣会社に依存する以外の選択肢を模索することも重要となります。

自社での直接雇用という選択肢

 派遣に頼るのではなく、自社で直接雇用することも検討に値します。派遣社員に多くを期待するのは贅沢な要求である場合もあり、メインの労働力は自社社員で確保し、派遣社員はあくまで補助的な役割にとどめることで欠勤による影響を減らせます。

 ただし、採用難の現代においては、自社で希望する人材を十分に集めるのは容易ではありません。「必要な人数がどうしても確保できない」という状況も珍しくなく、その場合は採用戦略自体の見直しが必要になります。

採用難時代における工夫と仕組みづくり

 人材が集まらない状況で事業を継続・発展させるには、採用基準をある程度下げても対応できるよう、仕事の仕組み自体を工夫することが考えられます。例えば、特別な気配りや高度なスキルがなくても遂行できる仕組みを整えることで、より多くの人材を受け入れることが可能になります。

 もちろん「うちの仕事は品質が大事だから基準を下げるわけにはいかない」と感じる経営者も多いでしょう。しかし、必要な人材が確保できないのであれば、事業縮小を検討するか、あるいは何らかの方法で人材不足に対応する工夫をせざるを得ません。
 例えば、機械の導入や業務フローの見直しによって、多少気配りに欠ける人材でも仕事をこなせるような職場づくりを進めるなど、経営者の柔軟な発想が求められます。

人に頼らない企業経営へのシフト

 さらに長期的な視点では、人材そのものに頼らない経営も一つの解決策です。AIの活用や自動化システムの導入、飲食店であれば券売機やセルフオーダーシステムの導入などがその例です。これにより、人の能力や勤務状況に左右されにくい経営が可能となります。

 もちろん、こうした取り組みは業務の仕組みそのものを大きく変えるため、社長や経営者の決断が欠かせません。成功するかどうか不安もあるかもしれませんが、人材不足が今後さらに進むことを考えると、検討に値する重要な方向性だといえます。

経営者に求められる柔軟な発想と判断

 派遣社員の欠勤問題は、単なる一時的な困りごとではなく、企業の人材戦略全体に関わる課題です。派遣会社に相談する、別の派遣会社を探す、自社で直接雇用する、採用基準を工夫する、人に頼らない仕組みを作る──これらの方法を単独ではなく複合的に組み合わせながら検討する必要があります。

 経営者は、目先の問題解決だけでなく、将来的な労務管理や事業展開を見据えた柔軟な発想と判断力を持ち続けることが求められています。経営は大変ですが、まさにこうした選択を重ねていくことが企業経営の醍醐味でもあります。

法律相談を活用した実務的な解決策

 派遣社員の欠勤や労務管理の問題は、単なる業務上の困りごとにとどまらず、契約上のトラブルや法的リスクにつながる可能性があります。早い段階から適切に対応しておくことで、不要なトラブルを防ぎ、企業の負担を軽減することができます。

 四谷麹町法律事務所では、派遣社員への対応に関して、派遣会社との交渉方法、直接雇用を検討する際のリスク管理、懲戒処分や注意指導の適切な進め方などについて具体的なサポートを行っています。さらに、状況によっては企業側代理人として、派遣会社や問題社員(一般にモンスター社員とも言われている)との交渉にも対応可能です。
 訴訟や労働審判に発展する前に正しい対応を取ることで、トラブルの早期解決が可能となります。派遣社員の欠勤や労務対応に悩んでいる経営者の方は、会社側専門の経験豊富な四谷麹町法律事務所にぜひご相談ください。

新着記事

  • 挨拶しない社員を懲戒処分すべき?経営者が取るべき対応を弁護士が解説

  • 挨拶は義務か常識か?職場での位置づけと経営者が取るべき対応を弁護士が解説

  • 挨拶ができない社員の対処法とは?常識と労務管理の両面から考える

  • 年休取得を「拒否できる状況」とは?時季変更権の誤解と正しい理解

  • 時季変更権の誤った行使が企業に与えるリスクとは?管理職任せにしない労務管理のポイント

過去記事

オンライン経営労働相談

会社経営者を悩ます労働問題は、四谷麹町法律事務所にご相談ください。
労働問題の豊富な経験と専門知識で、会社経営者の悩み解決をサポートします。

経営労働相談のご予約はこちら