中小企業に顧問弁護士は必要か
労働問題を、自力で抱え込んでいませんか
「うちのような中小企業に、顧問弁護士は必要なのだろうか」。そう考えている経営者の方へ。労働問題を会社側の立場で扱ってきた弁護士の視点から、顧問弁護士が必要になる場面と、判断の考え方を整理します。
経営者の本業は、労働問題対策ではありません。強い本業がある中で、労働問題まで自力で勉強して対応するのは、効率がよいとは言えません。労働問題は会社の規模に関係なく起こり、たった一人の問題社員への対応が、経営者にとって重い負担になることも少なくありません。日頃から相談できる会社側専門の弁護士がいることの価値は、ここにあります。
本業を持つ経営者が、労働問題まで自力で抱えるのは効率が悪い
労働問題に直面したとき、本を読んで勉強したり、セミナーに出たり、ネットで調べたりして、自力で対応しようと頑張る経営者の方は多くいらっしゃいます。とても正攻法で、頑張っていらっしゃると思います。
しかし、経営者には、もともと強い本業があるはずです。会社の経営や、自社の製品・サービスを生み出すことが本業であって、労働問題対策が本業ではありません。その本業に力を注ぐべき経営者が、専門外の労働問題まで自力で勉強して対応するのは、効率がよいとは言えません。いくら勉強しても、限界があるのも事実です。
顧問弁護士は、この「自力で抱え込む」状態から経営者を解放する存在です。労働問題は専門家に任せ、経営者は本業に集中する。これが、会社にとって効率のよい形だと考えています。
労働問題は、会社の規模に関係なく起こります
顧問弁護士は大きな会社のためのもの、と思われるかもしれません。しかし、労働問題は、会社が大きいから多い、小さいから少ない・軽く済む、というものではありません。たった一人の問題社員が、職場の雰囲気を悪くし、周りの社員を疲弊させ、経営者を悩ませる。その負担の重さは、会社の規模とは関係ありません。
むしろ、人数の少ない中小企業ほど、一人の問題社員が職場全体に与える影響は大きくなりがちです。「大きい会社の話だから、うちには関係ない」とは言えないのが、労働問題の特徴です。
顧問弁護士が必要になる、具体的な場面
次のような場面では、日頃から相談できる顧問弁護士がいることの価値が大きくなります。中小企業でも実際によく起こることばかりです。一つでも心当たりがあれば、検討する価値があります。
問題社員への対応に悩んでいる
勤務態度や能力に問題のある社員への注意指導、懲戒処分、退職勧奨、解雇。これらは進め方を誤ると、後で不当解雇などを主張され、労働審判や訴訟に発展します。注意指導や懲戒処分は、踏み切れずに後手に回りがちなところでもあります。初期から相談できる弁護士がいると、対応の精度が大きく変わります。
残業代を請求されそう・請求された
退職した社員から、突然、残業代を請求されることがあります。賃金請求権の時効は3年に延長され、請求額は大きくなりがちです。日頃から労働時間の管理を相談できていれば、請求自体を防ぎやすくなります。
団体交渉(ユニオン)を申し込まれた
社員が社外の労働組合(ユニオン)に加入し、団体交渉を求めてくることがあります。対応には専門的な知識が必要で、初動を誤ると不利になります。顧問弁護士がいれば、申込みを受けた直後から相談できます。
就業規則を整え、これから人を増やしていく
就業規則は、労働問題が起きたときに会社を守る土台になります。人を増やすほど、労働問題が起こる可能性も高まります。顧問弁護士がいれば、平時から就業規則の整備や労務管理の体制づくりを進め、将来のトラブルを予防できます。
顧問の価値は「予防」と「こまめに相談できること」にあります
顧問弁護士というと、トラブルが起きてから戦ってくれる人、というイメージがあるかもしれません。しかし、会社側の労働問題における顧問の本当の価値は、トラブルを未然に防ぐことと、目の前の問題にそのつど相談できることにあります。
現実の労働問題は、目の前で次から次へと事態が進展します。一般論を一度聞くだけでは、目の前の対応はわかりません。日頃から相談できる弁護士がいれば、状況の変化に合わせて、こまめに相談しながら対応を進められます。オンライン相談なら移動時間もかからず、15分や30分の短い相談も気軽に入れられます。
問題が大きくなってから依頼すると、解決までに大きな費用と時間がかかりますが、予防できれば、その負担そのものが生じません。顧問料は、この「予防」と「いつでも相談できる安心」のための費用と考えると、その価値が見えてきます。
必要なときだけ、という使い方もできます
すべての会社に、常に顧問弁護士が必要というわけではありません。当事務所の顧問契約には契約期間の拘束がないため、特定の問題社員への対応のために契約を結び、解決したら一旦終了し、また問題が生じたら再開する、という使い方もできます。
顧問が必要かどうか、自分だけで判断するのは難しいものです。当事務所では、いきなり顧問契約をおすすめすることはありません。まずは今お困りの労働問題についてオンラインで相談いただき、お話をうかがった上で、顧問が向いているのか、まずはスポットの相談で十分なのかを、率直にお伝えします。
顧問契約で対応する主な労働問題について、事務所ホームページに専門的な解説をご用意しています。